コンサルタントが病まない為には
2024/2/2
日比谷という場所柄
日比谷で診療を行っていますと、コンサルタントの方が来院されることが非常に多いです。
場所柄、大手町、丸の内が徒歩圏内で、六本木も日比谷線で一本なので、国内外のコンサルティングファームの殆どがクリニックの近くにオフィスがあることも影響しているかもしれませんね。
みなさん、優秀な方が多く、仕事は多忙で難易度が高い。
その分報酬も高いと思います。
激務な分だけ、過覚醒を起こしやすく脳疲労し、適応障害、うつ状態を引き起こしてしまうケースが多いという印象です。
では、治療を通して「どうしたら病まなくてすむのか?」と、考えてみました。
コンサルティング業界の特徴
通常の仕事は、短い期間で上司、仲間、仕事内容が変わることはあまりありせん。
特に、上司、部下関係は異動がない限り数年は変わらないことが多いです。
しかし、コンサルティング業界の特徴として、プロジェクトにアサインされるたびに、上司、チームの仲間、仕事内容、クライアントが変わります。
3か月程度で変わる事が多いと、患者さんからよく聞きます。
プロジェクトによっては、相性が良い上司と一緒に仕事を出来ることもあれば、相性が悪い上司と一緒になることもあります。
これは、上司との関係だけでなく、仲間や仕事内容、クライアントの人間関係も同様に、相性の合う合わないは当然生じてきます。
また、プレーヤーとマネージメントも同様で、現場でプレーヤーとして働く事が得意な人と、マネージメントが得意な人もいます。
苦手な事では勝負しない事
では、そのような状況で、心を病まない一つの方法は、「苦手な事では勝負しない事」だと思います。
全ての事に全力で取り組み、頑張ることは、聞こえは良いかもしれませんが、同時に、病んでしまうリスクが高いとも言えます。
ぶっちゃけ、合わない人とはどんなに頑張っても良い評価をしてもらうことは少ないです。
まあ、理不尽な事ですが現実です。
同じく、不得意分野でどんなに頑張っても、得意な人にはかないません。
特に、コンサルティング業界は優秀な人が集まっているので、自分が不得意としている分野で、その分野を得意としている人よりよい評価を勝ち取ることは至難の業です。
「あ~、今回アサインされた仕事は苦手だなぁ」と感じたら、そこそこ努力して逃げ切った方が、多分病みません。
どのプロジェクトでも、同様に良い評価を得ようとするから、気持ちが追い込まれます。
人が病むとき
人が病むときは、葛藤して→疲労して→徒労に終わると病むことが多いです。
「あ~、今回の上司と仕事内容合わないなぁ、やだなぁどうしよう」と葛藤し、「でも、評価されるためには人一倍頑張らなければ」と疲労し→「頑張って結果、この評価かぁ」と徒労に終わると、これマジでしんどいですよね。
だったら、「あ~、マジ今回合わないわぁ」→「今回は勝負せずに、そこそこでいいや」→「ま、評価されなかったけど、こんなもんだよな。だって、苦手だし、そんなに勝負してなかったしな」と思った方が得だと思いませんか?
頑張ることは、決して悪いことではありません。
素晴らしいことです。
ただ、病まない範囲で頑張ることが大切なのです。
そして、「まあ、今回しんどいのも、このプロジェクトが終わればとりあえず逃げられるし」と自分に都合の良い言い訳を考える事(認知行動療法)も病まない一つのテクニックです。
特に、コンサルティング業界は、良い意味でも悪い意味でも、プロジェクト単位の短い期間で仕事環境が変わってきます。
Let’s Sing!
自分の限界を知るために生きているわけじゃないですよね?!
My little loverの「Hollow again~昔からある場所~」を聞きながら、一緒に、口ずさみましょうよ。
「自分の限界が どこまでかを 知るために 僕は生きている訳じゃない♪」
素敵な歌詞です。
追伸
大学院の医局にいた頃、教授に「ほんと、立川は臨床は出来るが研究出来ないよねぇ」って指摘されて事があります。
表面上「すみません。頑張ってみます」って返答しました。
が、心の中で「臨床で結果出してるんで、研究は出来なくて大丈夫っす。研究、間に合ってます」と、押し売りに来た、新聞屋さんの勧誘を断るが如く自分に言い聞かせました。
だって、そう考えて病まない方が得でしょ。
※本掲載内容を許可なく転載することを禁じます
- 院長コラム
- 桜と心の不調
- 産後うつ病
- ストレスに強くなる、意外!?な方法(前編)
- ストレスに強くなる、意外!?な方法(後編)
- 新型コロナ第2波に対しての心構え~SOCで乗り切ろう~
- 新型コロナ第2波に対しての心構え~SOCアプローチ実践~
- 新しい双極性障害の治療薬が登場しました
- テレワーク後「会社に行くのが億劫な人たち」
- 感謝
- テレワーク不安・不眠GW前後で、ストレスがどのように変化したか~葛藤対象の変化~
- GW前後での変化~マズローの欲求5段階とは~
- テレワーク不眠・不安と、マズローとの関係
- テレワーク不眠・不安がテレワークうつへ移行
- テレワークうつにならないためには
- 休校や自粛でストレスを抱える子どもたちのために
- ADHD:薬物療法の意義
- ADHD:薬物療法の種類
- 叱り方総論(パパ・ママ編)
- 叱り方別(ママ、女性編)
- 叱り方別(パパ、男性編)
- 自粛による昼夜逆転生活の防止
- うつ状態と怠けの違い
- 健康な食事しか食べられない人たち~オルトレキシア
- テレワークうつ
- 「テレワークうつ」にならない為には
- テレワークうつ 医療機関受診の目安
- 新型コロナ関連ストレスが、心に及ぼす影響
- 新型コロナストレスと不眠
- 新型コロナストレスと抑うつ
- 新型コロナストレスと過食
- コロナ過食を防ぐための8か条
- 新型コロナに感染しない為には(精神医学的アプローチ)
- 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、どのくらいの期間生存するのか?
- 新型コロナ関連ストレス長期化することによって生じる問題
- 他の敏感な人たち~シゾイドパーソナリティ、発達障害~
- 新しいうつ病の治療薬が
登場しました! - HSPと過覚醒
- HSPと適応障害・うつ病
- 敏感すぎて疲れてしまう人~HSP~
- 高照度光療法
- ストレス対処方法概論
- ストレス対処方法各論
- ストレス対処方法各論
~問題対処外向型~ - ストレス対処方法各論
~問題対処内向型~ - 熱中症と漢方
- 不眠にだるさ、食欲低下…
夏バテと“夏うつ”の違いとは? - 年代別でみる心の病
- パニック障害とパニック発作
- ストレス性で心を病むとは?
- ストレスに強くなるには
- こころの病気の診断方法
- こころの病気の治療
- 朝起きと健康の関係
- 朝起きられないが、夜元気な人たち~夜型人間~
- 早寝ノススメ
- ストレスと過覚醒
- 五月病と過剰反応
- うつ病と食事
- 気象病と寒暖差
- 抜毛症でお悩みの方へ、切なるお願い
- 適応障害とうつ病の違い(一般論)
- 適応障害とうつ病の違い(当方解釈)
- 適応障害とうつ病の違い(治療編)
- 抗うつ薬のやめ時
- 気象病(R4年春の傾向)
- 抜毛症になりやすい人
- メニエール病と過覚醒
- コロナ禍での五月病対策
- 運動でうつ病予防
- 睡眠と運動
- SNS断ちでうつや不安が改善
- コロナ後遺症と過覚醒
- コロナ後遺症とブレインフォグ
- ブレインフォグの原因
- 「ヘアロス」とは
- 敏感すぎて疲れる人へ~気疲れを和らげるコツ~
- 抜毛症と現在バイアス(Present bias)
- コロナ後遺症なぜ長引く?~その①~
- コロナ後遺症なぜ長引く?~その②~
- 抜毛症~髪は、なが~い、友達です~
- 気象病と眠気~2023年梅雨の傾向~
- 毛髪疾患サポートハンドブック
- 夏バテと漢方
- 不安(パニック)でMRIが受けられない
- 夏バテと睡眠負債
- 午前中眠くて仕方ない人へ有効な治療薬!?
- ブレインフォグとセロトニン(新型コロナウィルス感染後遺症)
- 年末年始
- 抜毛症治療Q&A(2024年新春版)
- 悪夢に感謝?!
- コロナ禍、心の健康を保つ秘訣~会話時間の大切さ~
- 睡眠の質と夢の関係
- コンサルタントが病まない為には
- 冬季うつ病とは
- うつ病と漢方
- 気象病2024年速報
- パニック障害と漢方
- 不眠症と漢方
- 気象痛と漢方
- 夏バテと漢方
- 特殊な抜毛~眠っている時に間に髪を抜いてしまう~
- 病気のコラム
- 摂食障害
- 不眠症
- 食べないと眠れない症候群
夜間摂食症候群(NES) - 寝ている間に食べてしまう
症候群 - 社交不安障害(SAD)
- 統合失調症
- 適応障害
- 抜毛症
- 依存症
- ADHD(注意欠陥・多動症)
- 仮性認知症
- 更年期障害
- 更年期障害に伴ううつ状態
- 非定型うつ病
- 気象病
- 舌痛症
- 心身症
- 月経前症候群
- 慢性疲労症候群
- うつ病
- ディスチミア型うつ病
- 新型うつ病
- 仮面うつ病
- 冬季うつ病
- 強迫性障害