ストレスに強くなる
意外!?な方法(後編)
前編で、SOCと森林浴との関係を、ご紹介させていただきしたが、なぜ、森林浴がストレス耐性を高めるのかを、当医なりに分析してみました。
結論は、森林浴がストレス耐性を上げるのではなく、ストレス耐性が高い人は、ストレス対処方法として、森林浴を利用しているのだろうと考えました。
次に、なぜ森林浴に、ストレス緩和作用があるのでしょうか?
適応と覚醒
それは、「適応と覚醒」にあると考えます。
人は、何かに対応・適応しようとするとき、交感神経が高まります(コラム:「ストレスと過覚醒」参照)。
会社にいるときは、上司、同僚、部下、お客さん。家に帰ると、旦那さん、奥さん、お子さん、場合によっては、姑さんに、対応・適応しようとして、当然交感神経が高まり覚醒状態となります。
ましては、その対象がストレス元であればなおさらです。
そして、普段の生活でも、電車内であれば、ほかの乗客。歩行中であれば、周りの人などに自然と対応・適応しようとして、交感神経が反応します。
しかし、森林浴というものは、この対応・適応から脱却できる方法の一つです。
本物の森林浴で得られる無の極致
「本物の森林浴」では、まず、人工的なもの、音、気配がありません。上空を飛ぶヘリコプターや、周りの人が一切おらず、車の音なども全くしない状況です。
そのような状況下では、周囲に対する対応・適応がなくなり、自然と一体化してきます。
風の音や、鳥たちのさえずり、樹木が揺れる音、植物のにおい、心地よく肌に伝わる風の感覚などと一体化することで、交感神経の反応は静まってきます。
ここで、重要なことは、「あ~、この鳥は何かなぁ」、「どの木が揺れているのかなぁ」など考えないことです。その瞬間に、その状況に適応しようとして、交感神経の反応が始まります。
何も考えずに、風や自然からの音に身をゆだねることです。つまり、「あるがままの極致」で身をゆだねることで、「無の極致」となりえるのです。(少し、森田療法の考え方に近寄ってきましたね)
この、「本物の森林浴」を行うことで、脳が休息モードにどっぷりつかることが出来て、脳疲労の改善効果マックスです。
この「本物の森林浴」は、座禅に近いものがあるかもしれません。
ただ、座禅でこのように、「無の極致」を得るためには、相当な期間の修業が必要です。
私には、修業は到底、無理そうなので、さっさと森林浴に行っちゃいます。
皆さんも、ぜひ、「本物の森林浴」を試されては如何でしょうか?
※本掲載内容を許可なく転載することを禁じます
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