敏感すぎて疲れてしまう人
~HSP(High Sensitive Person)~
2020/1/27
人の言動や表情、周りの音や光匂いに敏感。それだけではなく、人の悲しみや楽しみなどの感情にも敏感で、つい感情移入しすぎてしまい疲れる人がいます。
このような人は、HSP(High Sensitive Person)かもしれません。
HSPとは
HSPは、1996年にエレン・N・アーロン博士が提唱した概念です。
このHSPは、「DOES」という4つの特性を持っています。
Depth of processing
「処理の深さ」
- 深く考えすぎてしまし、そのため考える事に時間がかかってしまう。
- 没頭するあまり、知識が非常に深く広くなる。
- 背後にある事まで考えすぎて、社交辞令やお世辞を見抜いてしまう。
Overstimulated
「刺激を受けやすい」
- あらゆる刺激に敏感で、そのため、疲労してしまう
- 刺激だけでなく、相手の言葉や気分・機嫌にも敏感であるため、対人関係でどっと疲れてしまう
Emotional reactivity and high Empathy
「感情的反応性・高度な共感性」
- 相手に感情移入しすぎてしまう
- 相手の幸せは自分の幸せであり、相手の不幸は自分の不幸と考えてしまう
- 相手の気持ち、立場に入り込み過ぎて、時にトラブルに発展する
- 相手もしぐさ、表情などに敏感で、相手の感情を過剰に読んでしまう
- ドラマや映画の登場人物にすら感情移入して、見終わるとどっと疲れてしまう
Sensitivity to Subtle stimuli
「些細な刺激に対する感受性」
- 5感の感度が非常に高いため、音、光、匂い、肌触り、ボディタッチなどに非常に敏感、そのために仕事など日常生活に必要以上に疲れてしまう
- 敏感に察知するため、気が休まらず、イライラする
HSPは病気ではない
HSPがどのような特徴があるかは分かったと思いますが、HSPは病気ではありません。
HSPは、気質の一つです。気質とはわかりやすく言えば、「持って生まれた性格」です。
つまり、後天的に加わるものではなく、生まれたときから備わっている個性です。
HSPのチェックリスト
チェックリストを載せておきます。
- 1:大きな音や、雑然とした光景のような強い刺激が煩わしい
- 2:大きな音で不快になる
- 3:一度にたくさんの事が起こっていると不快になる
- 4:色々なことが自分の周りで起きていると、不快な気分が高まる
- 5:明るい光や強いにおい、ごわごわした布地、近くのサイレンの音にゾッとしやすい
- 6:忙しい日々が続くと、ベッドや暗くした部屋などプライバシーが得られ、刺激の少ない場所に逃げたくなる
- 7:一度にたくさんの事を頼まれるとイライラする
- 8:短時間にしなければならないことが多いとオロオロする
- 9:他人の気分に左右される
- 10:ビクッとしやすい
- 11:競争の場面や見られていると、緊張や動揺のあまり、いつもの力が発揮できない
- 12:強い刺激に圧倒される
- 13:痛みに敏感になることがある
- 14:子供の頃、親や教師やあなたのことを「敏感だ」とか「内気」だとみていた
- 15:生活に変化がると混乱する
- 16:微細で繊細な香り・味・音・芸術作品を好む
- 17:自分に対して誠実である
- 18:美術や音楽に深く感動する
- 19:豊かな内面生活を送っている
参考:Development of Japanese version of the 19-item Highly Sensitive Person Scale( HSPS-J19)Aki Takahashi
(Graduate School of Psychology, Chukyo University)Japanese Journal of Research on Emotions 2016, Vol. 23, No. 2, 68─77
気質はハッキリと色分けされるのではなく、
濃淡で考えましょう
気質というものは、スペクトラム(連続体)で、どこからどこまでが、○○気質というわけではなく、その個々人によって、どの気質がより濃いかと考えた方が良いです。
誰でも、HSPの要素は持っていますが、それがより濃い人もいれば、薄い人もいると思ってください。
※本掲載内容を許可なく転載することを禁じます
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