桜と心の不調
~cherry blossom mental down~
4月に入り、新入社員、新入生、新人、新学期、新年度など、何かと「新」という言葉が飛び交う時期ですね。
気温も暖かくなり、何かと心がアップする気ですが、この時期がきっかけで心の不調に陥ってしまうこともあります。
先人は、この桜が咲く時期を「木の芽時」といい、心身の不調をきたす時期として警戒していました。
では、なぜこの時期に心身の不調をきたすのでしょうか?
新しいということは、変わるということ
答えは、やはり「新」です。
「新」の時期は、「変化」の時期でもあります。
人は恒温動物ですので、心身を一定に保つ機能があります。これを、ホメオスタシス(生体恒常性)と言います。
主に、自律神経が影響しています。
変化は良くも悪くも疲れを引き起こす
人にとって「変化」は悪い変化でも良い変化でもストレスを感じます。
ストレスという言葉より、「疲れ」という言葉の方がしっくりきます。
この時期の変化に対して、その変化に適応しようとして、自律神経の交感神経が立ち上がります。
これは通常の反応ですので、これ自体が悪いわけではありません。
しかし、この時期の変化は一つではありません。
例えば、新入社員であれば、
- 仕事という変化
- 居住地が変化
- 対人関係が変化
- 着る服(スーツ等)が変化
- 通勤という変化
- 上下関係等変化、競争という変化
- 生活リズムという変化・・・。
変化のオンパレードです。怒涛の変化が押し寄せます。
頑張りすぎることから適応障害に
そして、この変化に対して自律神経が活発に反応します。
つまり、交感神経が高まります。いわゆる「オン」状態が続きます。
この変化の時期に、過剰に適応しようとして頑張りすぎると、過覚醒状態になる事があります。
この過覚醒が脳疲労に移行し、最悪、うつ状態になってしまう事があります。
この状態になると、肩こり、頭痛、口の渇き、眠れない、寝てもすぐに起きる、疲れが取れない、気持ちの落ち込みを生じるようになります。
いわゆる過剰適応による「適応障害」です。
物事をシンプルに
桜の時期、この過剰適応を防ぐことが、適応障害発症予防として大切です。
人は、シングルタスクで病むことは少なく、マルチタスクで病むことが殆どです。
つまり、ストレス(変化)が一発であれば大きな変化でも何となります。
しかし、小さな変化でも一気に同時に押し寄せてきたら非常に疲れますよね。
なので、例えば仕事の変化があった場合は、プライベートはなるべく変化を付けず新しい事を始めないなど、オンとオフの切り替えが大切です。
また、優先順位を付ける事も非常に大切です。
マルチタスクも優先順位さへつけてしまえば、シングルタスク化できますよね。
または、自律訓練法を取り入れて、交感神経と副交感神経のバランスを保つこともお勧めです。
「Cherry blossom」
この言葉を聞くだけで心が弾みますが、この時期は慎重に優先順位を付けて、オンとオフの切り替えをしっかり行い過剰適応に気を付けましょう。
※本掲載内容を許可なく転載することを禁じます
追伸
ちなみに、私はこの時期「うかれない」ように、花見は一切しないようにしています。
「桜?なにそれ」、「cherry blossom?聖子ちゃんの歌?」ってスカシまくっています。
そういえば、最後に花見をしたのはいつだったのかなぁ・・・・
思い出しました!
2018年3月30日、元東京女子医大教授、坂本薫先生の講演の座長をした際、講演後に目黒川でご一緒させて頂いたのが最後でした。4年前か・・・。この頃はまだマスク生活でなくて良かったなぁ。
坂元先生と記念の一枚
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