心身症
心身症とは?
心身症とは、身体に現れる病気の中で、その発症や経過に心理的な要素が密接に関わり、症状があらわれている病気です。
わかりやすく言えば、ストレスや悩み、不安などがたまった結果生じる体の病気です。
その症状は、ストレスに時間的に一致して変動します。
心身症を起こす疾患は、以下のように多数あります。
- 過敏性腸症候群
- 胃・十二指腸潰瘍
- 気管支喘息
- 過換気症候群
- 本態性高血圧
- 不整脈
- 緊張型頭痛
- 片頭痛
- 自律神経失調症
- アトピー性皮膚炎
- じんま疹
- 円形脱毛症
- 月経異常
同じ胃潰瘍でも、原因が違えば治療法も異なります
例えば、胃潰瘍などでは、元々胃酸が出やすい人や、加齢に伴い胃粘膜が弱くなること、辛いものなどの刺激物を食べ過ぎたときに胃潰瘍になってしまう人もいれば、仕事の負担が大きくなったときに胃潰瘍になってしまう人もいます。
前者は、ただの胃潰瘍であって、後者は心身症に伴う胃潰瘍となります。
では、同じ胃潰瘍でもなぜただの胃潰瘍と心身症に伴う胃潰瘍に分ける必要があるのかといえば、治療方法が違ってくるからです。
治療
心身症の治療は、実際生じている身体面の治療(内科的治療)のみではなく、精神面での治療が必須です。
そのからだの病気の原因が精神面から来るストレスなので、身体面の治療のみでは、一時は症状が和らいでも、完治することはありません。
身体の治療
身体面の治療としては、その疾患に準じた内科的治療です。
つまり、心身症に伴う胃潰瘍なら胃酸の抑制剤や胃の粘膜保護剤、心身症に伴う高血圧であるなら、降圧剤などです。
精神の治療
精神面での治療としては、不安、緊張などのストレスは、自律神経のバランスを崩してしまうため、リラックスし、自律神経のバランスを整えるために、安定剤(抗不安薬など)を使用する薬物療法が効果的です。
また、ストレスが発症の原因なので、そのストレスを軽減することが必要です。
そのためには、まず、今自分が抱えているストレスが何であるかを、明確化することが大切です。
そのストレスが仕事であるなら、上司、同僚に助言、援助を受け、自分ひとりで抱え込まないことです。
自律訓練法や、認知行動療法、カウンセリングなども効果的です。
心身症にならないために
ストレスに長期間さらされることにより、心身症にまで発展してしまうことが多いです。
ストレスに長期間さらされてしまったときに、自分の体に生じている身体的症状(頭痛、胃痛、喘息発作、アトピー性皮膚炎など)がストレスによるものではないのか?と疑うことも重要です。
つまり、セルフモニタリングし、早期にストレス対処をすることで、身体症状の悪化を防ぐことが出来る、つまり、心身症を防ぐことができるのです。
生活習慣の見直しを
自分の生活習慣をきちんと整えることが第一です。
ストレスが多い生活をしていると、ついつい食生活の乱れ、アルコールの飲みすぎ、睡眠リズムの崩れなどが多くなり、また、過労や疲れで運動が減り、生活習慣が乱れがちになります。
生活習慣を規則正しくすることは、ストレスに対する心身の抵抗性を高めます。
同じ強さのストレスにさらされたとしても、生活習慣が規則正しくないときは、正しいときと比べ、心身症にまで発展する危険が高くなります。
今一度、自分の生活習慣を見直してみましょう。
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