メニエール病と過覚醒
2022/3/30
先日、大学院時代の主任教授・松崎一葉先生から一通のメールを頂きました。
松崎教授は、私のボスですので、一体何事かと恐る恐る、メールを開いたら、一本の英語論文のご紹介でした。
う～ん、イングリッシュかぁっと、ひよったのですが、ボスからのご紹介であれば是が非でも読まなくてはとジーニアス英和辞書を片手に1時間かけて読破しました（英語が得意な人だったらおそらく5分くらい・・・・）。
私のプアな英語力では12倍もかかりました（切なさ爆発です）。
メニエール病と過覚醒の関連性
「メニエール病の発症と交感神経機能亢進の関係」という内容の論文で、詳細は鬼のように難しく、耳鼻科的な知識もかなり必要だったので、パスして、私の専門分野（というか、私に理解できる範囲）に関する内容を抜粋すると以下の内容でした。
「メニエール病の発作の直前に、副交感神経系が著しく抑制され、交感神経系が著しく活性化される。そして、交感神経系がさらに優位に相対的に活性化された」
これって、過覚醒じゃん!!
メニエール病の症状が出る際に、過覚醒状態になっているという事ですよね。
当方の患者さんでも、初診以前にメニエールと診断されて、その後、不眠、不安、身体疼痛が加わり、最終的にうつ状態になり、初診でいらっしゃった方を多数いらっしゃいます。
やはり、メニエール病と過覚醒には、関連があるようですね。
実際、メニエール病の患者さんは、めまいや難聴に加え、首・肩こり、下痢型過敏性腸症候群、緊張性頭痛、緊張感、動悸などがあるそうです。これらって、まさに過覚醒症状ですよね。
仮説
ここからは私の仮説ですが、メニエール病の治療（メニエール病自体の治療ではなく、症状の緩和）として、過覚醒に対するアプローチをする事で症状緩和出来そうな気がしてきました。
ま、あくまでも、私の独断と偏見ですが・・・・。
メニエール病になったことで過覚醒となってしまうのか、過覚醒になる事でメニエール病になってしまうのかは、卵が先か鶏が先かと同様、わかりませんが、兎に角困っている患者さんの症状緩和にアプローチ出来る期待を込めて、今後の診療に活かしたいと思います。
この論文を紹介いただいた、松崎一葉教授に感謝感謝です。
追伸：頂いたメールの宛先に、私のアドレスしかない事に気づきました（CCなし）。
という事は、全医局員向けではなく、私のみにダイレクトにメールを頂いたことですよね。いやぁ、卒業した医局員の私に対しても、お心お掛け頂き、貴重な論文を紹介いただいた松崎教授、激リスペクトです。
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