適応障害
適応障害とは、自分のまわりの社会環境にうまく適応することに失敗し、ストレスを抱えることによって、心と身体の両方に様々な症状があらわれてくる状態です。
以前は、心因反応の一つと考えられていました。
ある環境に適応しようとするが、ストレス反応(心因反応)を起こしてしまい、上手く適応することに失敗した状態です。
入学・就職・引っ越し・結婚など、身の回りの環境が変化した際にうまくいかないと、それぞれ登校拒否(不登校)、職場不適応、家庭では別居あるいは離婚などといった形で現れます。
適応障害の症状
心に現れる症状
- 何事にも不安になる
- 気分の落ち込み、抑うつになる
- 焦りやすい、焦燥感
- 敏感になる
身体に現れる症状
- 眠れなくなる、眠ってもすぐ目が覚める、不眠
- 食べる気が起きない、食欲不振
- 胸がどきどきする・苦しくなる、息切れ、動悸
- だるい、疲れやすい
- 頭痛、肩こり、腹痛 など
適応障害の原因
最近は仕事関係での付き合いが原因で症状が現れる方が多いですが、生活リズムが乱れている方なども発症の原因となります。
適応障害になりやすい人
下記のような性格の人は、適応障害になりやすいとされています。
ご自身の性格と照らし合わせてチェックしてみましょう。
- 物事を徹底的にやりたい
- 仕事に打ち込むことで周りといい関係を作りたい
- 責任感のある方だ
- 生真面目で几帳面で融通がきかない
- 人から頼まれるとノーと言えない
- 他人からの評価が気になる
- 自分より周りを優先してしまう
- 繊細で敏感なタイプ
- 人の気持ちや周囲の状況を上手くつかめない(空気を読むのが苦手)
適応障害の治療
適応障害を来している時は、過覚醒状態(交感神経が常に優位な状態)になっていることが殆どです。
ますは、この過覚醒の改善が必要です。
その上で、本人がどの状況、環境の適応に失敗したのかを精査することが大切です。
例えば、職場であれば、仕事の内容なのか、量なのか。もしくは、達成感なのか、裁量度の低さなのか。
または、人間関係で、上司なのか部下なのかなどを精査していきます。
過覚醒の強さや、脳の疲労状態に合わせて、お薬を服用していただく形もありますが、場合によっては3週間~3か月程度の休養をおすすめすることもあります。
症状が改善されたから良いというわけではなく、原因となった、「適応に失敗した状況」に対して対策を行った上で、段階的な復帰なども考慮しながら、社会復帰を目指していきます。
治療に関しては、花粉症に例えるとわかりやすいです。
花粉というアレルゲンが、ストレス因(状況)だとしましょう。
その花粉(ストレス因)に暴露して、その状況にうまく適応できず、過剰に反応し、症状(花粉症であれば鼻水などで、適応障害であれば不安や気持ちの落ち込み等)を出している状態が適応障害です。
なので、花粉症のように、症状を緩和する薬を飲むことも大切ですが、そうならないよう対策をすることも大切です。
花粉症であれば、マスクをする、花粉をなるべく避ける生活をする、花粉に過剰に反応しない体質を作るなど工夫をしますが、適応障害では、そのストレッサー、状況に過剰に反応しないように、考え方の癖を修正したり、上司や同僚に相談し、解決策を話し合ったり、仕事量や内容を可能な範囲で調整してもらうことも大切です。
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